[conerisk_ml:45] CONE安全管理者の皆様へ 8月15日号

安全管理者登録の皆さまへ

 日頃は安全に関する啓蒙活動ご苦労さまでございます。

 CONE安全部会より月2回、安全に関する情報を発信させて頂いておりまして

 今回担当させて頂く担当は 安全部会員 株式会社ON-WIPPSの田口です。

今回は、管理者にとっては重要な点ではありながら、見落としがちな事項をクローズアップしてみました。 参考にして頂けましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。

ポイントは「配慮義務」という法律です

今回取り上げてみましたのは2点

安全配慮義務
合理的的配慮義務

安全配慮義務には2種類
 労働者安全衛生法から「職場環境配慮義務」

 労働基準法から「健康配慮義務」

 が存在し、健康診断や労働時間管理を実施し、心と身体の健康に配慮し、さらに

ハラスメント対策としてメンタルヘルス対策をきちんと整えることが義務とされています。 ただし、無制限に認められる物ではありませんので、配慮の義務領域を管理者として確実に理解しておくほうが良さそうです。

 この法令が成立したきっかけになったのは、陸上自衛官の機材整備中の死亡事故で

 あり、最高裁で「国家公務員に対し生命や健康などの危険から身を守る義務をおこたったとして原告側が勝利した」ことです。それにより平成20年3月に労働基準法第5条に「安全配慮義務」が定められました。

 この機会に、従業員様やパート指導員様やサポート従事者にとって、心と身体の安全を守るための配慮が整っているかをご確認頂だくのは如何でしょうか?

つぎは ②合理的配慮義務についてです。

 「障害者差別解消法」に取り入れられた合理的配慮義務の考え方とは

 すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を

尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すために2016年4月施行されました。 2021年5月時点では国や自治体では法的義務、民間企業、事業者は努力義務とされています。 ただし、第204回通常国会において障害者差別解消法が成立し、合理的配慮提供が法的に義務化され、公布から3年以内の施行となります

体験活動の現場にも、障害詳細を隠して、または申請機会不足による情報不足状態で参加されるケースも少なくありません。事前、時中に可能な限りのリスク回避やリスク対策を講じておく必要があります。学校団体や障害者支援の活動をされている団体様は特に文部科学省の資料 

【資料3-1-2】日本の特別支援教育の状況について (mext.go.jp) 

↑ を参考にされますことをお勧めいたします

加配看護師について

この資料にも記載されておりますが(P16~)、医療的ケアの実施について軽視されており、救急車依頼事例を聞く機会が増えるようになりました。

 長野県に代表される標高の高い(1000㍍以上の)高原等で活動される場合、心疾患や呼吸器系疾患児童等には配慮が必要です。学校団体や放課後デイサービスであれば加配看護師を加算し配慮する対応策が推進されていますが、なかなか費用面、人員面において実行率が低い為、リスクが受入れ側に移行してしまうケースが増加しています。(特にコロナ禍において) 

 近年児童の特徴として、気圧変動による環境変化への対応能力の低下という実態も命に関わる事態になる可能性が高いことから今後リスクマネジメントには大切なKEYワードとして捉える必要があるのではないでしょうか

 また、配慮といえば、「思いやり」とされがちですが、「合理的便宜と合理的調整」と捉えると意義の理解が進むと思われます。

 事業者側からの合理的は「実施に伴う負担が過重でないとき」と判断すべきでしょうか? ぜひ各団体様で議論して頂きたいです。

 ご拝読感謝申し上げます。ありがとうございました。

 次回情報発信は 9月1日に予定されております。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

                   NPO法人自然体験活動推進協議会常任理事事業委員会安全部会  田口眞嗣

                             2022年8月15日