[conerisk_ml:62] リスクマネジメント情報提供「ヒューマンエラー」

CONE安全管理者登録の皆様へ

日頃よりCONEの活動にご協力、ご理解いただき誠にありがとうございます。

CONE安全部員:オフィステラ 町頭です。

ゴールデンウイークが過ぎましたが、皆様の活動は如何でしたでしょうか? 多くの人がお出かけになり賑わったのではないでしょうか?

また、新型コロナウイルスの対応も5月8日から感染症「Ⅴ類」に引き下がり、コロナ禍前の日常が少しづつ戻ってきております。

このまま何事も無く過ごしたいものです。

今回の情報提供は、皆様の記憶にもまだ残っていると思いますが、「園児置き去り」事故についてです。

園児置き去りを防ぐために、国、自治体の指示、援助など様々な取り組みを行ってきてます。

そして、幼稚園など通園バスへの安全装置が義務付けられ園児の命を守る最後の砦として役割を期待されて始まりましたが、

最近、「慣れ」から運転手が無視する事例も出てきているとか?

※添付してある新聞記事を参照して下さい。

園児を乗せていない場面でも警報音が鳴るため、運転手はガソリンスタンドなどでもいちいち最後尾迄足を運ばなけれなならず運転手の負担になっているとか?!

うん?、これはちょっとおかしいのでは?と思いませんか。

そもそもこのような「置き去り」事故は人間が起こす「ヒューマンエラー」がそもそもの原因のはずです。

私たち、皆さんがリスクマネジメントセミナー(RMD、RM)で学んできたヒューマンエラーを今一度思い出してください。

この安全装置を付けても最終的に確認するのは「人」です。機械装置はあくまで補助的なもの、それをセンサーが鳴るから負担になっている、

そして無視している、とは本末転倒、ではないでしょうか?

もっと踏み込んで日常的にこの「ヒューマンエラー」を「防ぐ」、「無くす」取り組みを行い、企業、組織としてもこのような取り組みを行う「企業文化」を

醸し出してみては如何でしょうか。

リスクマネジャーの皆様、リスクマネジメントデイレクターの皆様、

皆さんの出番です。

他業界でも取り組んでいる「SMS」を紹介したいと思います。


他業界に見るヒューマンエラーを減らすための取り組み方

SMS(セフテイ・マネジメント・システム)とは

安全を最優先とした組織的な文化を醸成するための取組

解説

システムは複雑化し、それに伴いヒューマンエラー(人為的ミス)が、時折報告されている。一般的に99.999%の安全は存在しても100%の安全はありません。

どんなに優秀であっても、また、どんなに緊張感を持って仕事をしても人間である限り「100%ミスをしない」と、言い切れないからです。

SMSとは

「安全を最優先とした組織的な文化を醸成するための取り組み」です。

具体的には、将来的に事故に結びつく可能性のある不安全な要因を未然に防止したり、同じミスを二度と繰り返さないような再発防止策を策定するための取組。

 

ヒューマンエラーによって不安全な事例で発生した場合、

まず初めに(上記図を参照)

インタビューなどをすることで、その事例に至った背景を調査します。

この調査は、責任追及ではなく再発防止に重点を置いて実施します。

責任追及を目的とすると、どうしても口が重くなり真の原因を知ることが出来ないからです。

次に、この結果を基に潜在的な要因を探し出してデータの解析を行います。

その後、エラーを未然に防止するための対策案を策定し、ミーテイングや配布物を通して、すべての人に周知徹底します。

最後に対策が実行され、エラーの再発を防止するための効果が表れているかを定期的にモニターし、その結果を分析します。

ここで、もし新たな対策が必要であればもう一度検討を開始します。

これは、地道で根気のいる作業ですが、このようなサイクルを繰り返すことで一人一人の安全意識が高まり、ヒューマンエラーの件数が減少していくことを実感。

 

この SMS の取り組みは他業界にも採用されています。